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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記12月9日(日)


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「騙されたあなたも責任がある」
 小出裕章著
                                     2012年4月刊

言わずと知れた京都大学助教、小出先生の今年4月に出された著。3.11以降ほぼ1年が経過した段階での、福島第一原発事故後の日本人が考えるべき問題事項に対し、著者の経験と専門的考察にもとづき、率直な提言を展開している。紙面の制約からポイントを絞り、いくつかの観点から「箇条書きに」質問に回答する形で持論を繰り広げている。勿論氏は筋金入りの原発廃止論者であり、「人生をかけて」原発の矛盾と真正面から対決してきた学者である。しかし氏の推論の仕方は決して「思い込み」ではなく、学者としての理性によって「客観的データー」を解析したうえでの「科学的結論」として広く呼びかけているのである。よく言われていることではあるが、小出氏は科学者の「良心」を失うことなく、自らの信念を曲げず、事故後のあるべき姿を投げかけている。今後何年も、恐らく死ぬまで続く「放射能との戦い」にいかに、最善をつくすべきか、正に「苦渋の選択」を提起している。そこにあるのは、「明るい未来」とは言えない、「汚れてしまった世界への」覚悟と付き合い方だ。少なくとも幼き世代をいかにして守ってゆくか、責任ある世代の「最低限のマナー」を示しているのだ。そこからは「原発再稼働」などという考えは正に、「狂気」としか写らない。衆議院選挙の結果いかんによっては、日本は現実に「狂気の国」となるのだ。日本の危機は個々の国民が立ち上がらない限り救えない。政党は最早期待できない。
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by tomcorder | 2012-12-09 16:18 | 日記