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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記12月27日(木)

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反日感情を操る「中国の正体」       黄文雄  2012年10月刊

作者は1938年台湾生まれ、1964年来日し日本の大学、大学院を卒業後、文筆活動に入った人物である。最近の日中関係を鋭く切り込む書か?と思い興味を持って読み始めたが、作者の立ち位置は徹底して「反中国」であり、基本的な価値の軸は「反共」である。そういう人物の作品と思って読めばそれなりの理解は出来るが、前向きな日中関係を模索していこうするには、余りに一方的な論理構成になっている。要するに、米国を中心にした日本、韓国等資本主...義の陣営に属する国々が発展、成功を修めた国であり、ロシア、中国、北朝鮮は暴力がまかりと通る「理解しがたい」国家群といいたいらしい。確かに経済力から見れば、これまで落差も見られたが、最近の中国についてはその経済力は最早無視できない存在だ。近い将来アメリカさえも追い抜くと言う予想もでているのであるから、嘗ての中国論で押し通そうとするのは無理になっている面もある。勿論作者の言うように、中国は大きな国土と膨大な人口からなる国であるから、様々な内部矛盾を内に秘めていることは否定できない。しかし、一方的に「中国は暴力的な国家であり、日本に無茶苦茶難癖をつけて、自分の言うとおりにすべく日本を脅して居直っている」というのは言い過ぎであろう。氏の言い分は日本の超保守的な言論陣よりさらに過激であり、どうも台湾出身の物書きの中には過激な右派が目立つような気がするのだが、どうだろう。「日本よ毅然たる態度を取れ」というのは善意に解釈したいとは思うが、客観的な「歴史認識」となるともう少し「冷静に」資料を吟味する必要があるようだ。今回の書は「話半分」として理解すべきと考える。
     
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by tomcorder | 2012-12-27 19:06 | 日記