ブログトップ

渡霧吐夢世界

tomcorder.exblog.jp

薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記1月8日(火)

a0292328_21225591.jpg


 「隠される原子力、核の真実」 
              <原子力の専門家が原発に反対するわけ>
                       小出裕章著   2010年12月刊
 小出氏による、福島原発事故発生3ヶ月前に発刊の書。原発の表の顔と裏の顔を分かりやすく鮮明に解説している。これだけはっきりとと原発の問題点を描き出した作品があったのに、不幸にも大事故は発生してしまった。より多くの人がもっと小出氏の訴えに耳を貸し、本気で声を合わせていたらもっと違った展開があったかも知れない。・・・と考えると返す返すも残念で仕方がない...。作者も事故が起こってしまった現実を知った時どれほど悔しく思ったことだろう。このように明快に原発の持つ「闇の部分」をえぐりだした書籍があったのに、もっと声を出さなかったのかと自分自身にも後悔と自責の念を起こさせるのに十分な作品である。特に日本における原発の歴史を客観的に追ってみれば、いかに歪んだ筋道を辿ってきたかが良く分かる。異常なまでのプルトニウムへのこだわり、増殖炉への固執の仕方、など日本の原子力行政の迷走ぶりがはっきり伝わってくる。どう考えてみても、深い袋小路にはまってしまったとしか言いようのない、暗い世界でもがいているという表現が当たっている日本の原発状況ではないだろうか。事故がなくてもここまで行き詰まっていたのだ。それなのに、これだけの大惨事をおこしてもなお、まだ「再稼働」「新設」などの言葉が聞こえてくるこの国の「安全感覚」とはいったいどうなっているのだ。心ある日本人は小出氏の話に注目し、何が正しいのか冷静に判断してほしいとつくづく思う。「日本を愛する」とはどういうことなのか、厳しく考えて読んでほしい一冊である。
[PR]
by tomcorder | 2013-01-08 21:23 | 日記