ブログトップ

渡霧吐夢世界

tomcorder.exblog.jp

薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記1月22日(火)

a0292328_22225915.jpg
 
 「原発のコスト」        大島堅一
                                   2011年11月刊

「原発のコストは他の発電より最も安い。だから原発比率を高めてゆくことが望ましい。」福島原発第一事故の前はこんな宣伝がしきりになされていた。福島原発事故以後さすがに原発比率を高めよという声は聞こえなくなった。しかし、最近燃料費などのコスト高のため、「電気料金の値上げ検討」などと言う声が上がり始めている。「本当に原発のコストは安いのか?」この疑問に真正面から対決したのが、本書の執筆者大島堅一氏であ...る。氏の論理によれば原発のコストが安いとされているのは「燃料コスト」の違いであり「電事連」から出されている、狭い範囲での「コスト比べ」の所為であるという。しかし、実際のところは発電コストは「稼働率」で変わるし、原発にはうわべの電気料金以外に法外な、社会的、政策的コストがかかっている。燃料代だけに注目し、他のコストや条件の不公平性に目を向けないのは、原子力複合体(原子力村)の意図的なトリックである。事故の対策処理コスト、再処理コスト、バックエンドコストまで考慮するととてもではないが、「原発が安い」などとは言えない。あたかも原発が安上がりであるかのような電気料金の設定事体がまやかしであり、事の真相を伝えていない。「経済の専門家」が考えても、原発は最早将来的に「採算」が取れないことは明白である。しかも数々の環境的負の遺産を増やしてゆく運命にあるのだ。ちょっと考えれば脱原発こそ最も低コストであり、今後は再生可能エネルギーの比率を高めることが、コストを考える点からも妥当な選択となる。全く筆者の主張には賛成である。「汚れたエネルギー」からいち早く抜け出すことこそ、世の中をリードする唯一確実なルートと確信する。事実ドイツは日本よりはるか先を進んでいる。差をつけられたのは「指導者」の差と言いたくなる。実際、我が家に於いても再生エネルギーの将来は期待が持てるということを実証しつつある。先見性を持って力強くリードしてこそ、政治家の本分ではないか。その意味において日本の政治状況は誠に貧しいと感じざるをえない。
[PR]
by tomcorder | 2013-01-22 22:24 | 日記