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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記1月27日(日)

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  「放射能から子どもの未来を守る」  児玉龍彦 金子勝 共著
                                      2012年1月刊
福島第一原発事故後の日本はかつてない大災害に直面し、多くの被害者が深刻な状況のなかでぎりぎりの闘い続けている。この未曾有の災害のなか、二人のほぼ同世代の学者がそれぞれ異なる分野から、国の、社会の矛盾や病巣を見抜き、厳しく問題点を追求している。児玉は放射線医学者の立場から、金子は経済学者の立場から、原発の存在と事故の及ぼす重大な健康被害や将来に対する想像...を絶する負の影響について、日本の原子力複合体すなわち「原子力村」に対し激しい非難と告発の言葉を投げかけている。確かに、福島の事故後理不尽な国や東電そして関係機関の対応が続き、一般庶民にとって耳を疑うような言動を見聞きし、驚くことがすくなくなかった。原子力発電がこのように問題性を持ち、いかに危険な存在であったのか、多くの国民が気づくこととなった。
今後放射能による被害がどのように顕在化してくるのか、誰も確証が得られず、様々な心配な懸念されている。
従来の関係機関が信頼を裏切るような対応を示し、深刻事故に対し、いかに曖昧な対応策しか用意がなかったか、露呈してしまった。誰が責任を取るべき存在なのかもはっきりすることもせず、時間とともに又もとの木阿弥に戻ろうとする気配すら伺える昨今の政治状況のなかでは、筆者二人ならずとも、憂鬱な未来を危惧してしまう。
金子氏が巻末で述べている通り、子どもの未来のために、前向きな体制を大人が作り出し、新しい社会構造のなかで、子ども達が夢を描けるようなしくみを作ってゆくのが我々の責任といえるのだろう。
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by tomcorder | 2013-01-27 17:34 | 日記