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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記3月16日(土)

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   「談志が死んだ」         立川談四楼      2012年12月刊

著者の立川談四楼は群馬県邑楽郡邑楽町出身の落語家、作家。本人の言うところに寄れば、「落語も出来る作家」というのがキャッチフレーズだ。確かに、書くことにある種の「自信」を感じさせる「文章」を綴る技術をもっている。しかしそれは文章がうまいのか、話術がうまいのか、あるいはその両方か、判別はつかない。言えるのは、筆者の持っている聞くもの、読むもの引きつけて話さない、「エンターテイナー」としての魅力が卓越していることだ。実は...一度筆者の講演を生で聞いたことがあるが、やはり「プロ中のプロ」であることは間違いない。聴衆を引きつけるのにはどうしたらよいか、を熟知し、巧みな話術で自分の世界に引き込む、正に噺家として一流であることをまざまざと見せつけられた経験がある。どの世界もそれなりの厳しさをもっていると思うが、「落語家」の世界もなかなか厳しい世界であることが、筆者の言葉、パホーマンスの一部始終に感じられる。本書は師匠たる「立川談志」のある種の「暴露本」的要素もあるが、普段知ることの出来ない、「落語界の裏話」を赤裸々に描いた「暴露本」とも言える。テレビの画面で見る「芸人の顔」の裏には、かくも血生臭い格闘があったのだ。噺家の演ずる表現の奥底には数々のドラマが秘められているとは知る由もなかった。
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by tomcorder | 2013-03-16 20:32 | 日記