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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記6月16日(日)

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  「中国経済 あやうい本質」  浜矩子 2012年3月著

 筆者は中国経済を専門としてはいないという。従って本書が目指すところは詳細な中国経済の解説書ではなく、筆者の言い方で言えば中国の実態と特質を描き出すことによってグローバルな経済の現状と未来にせまろうとするのが、本書の試みであるということである。
 21世紀に入り十数年が経過した現在。GDPに関して言えば中国は世界第二位の国に成長した。何はともあれ、急激な成長である。作者のことばを借りれば猛烈な食欲を満たし短期間で成長した、未だ「大人」になっていない、「未成熟な国」ということになる。歴史もあり今や其の体格の巨大さにおいて、「超大国」のふるまいをせざるを得ない立場に身を置こうとしているが、その経済的な内実は、多くの問題点や時代交差的構造を抱えており、容易な展望を見つけ出すことは簡単ではないという。20世紀的課題と21世紀的な課題が混在しており、その共通解を求めることが極めて困難であると氏は語っている。
たとえば「中国は世界の工場」という言葉が定着したかのように世に流れているが、この言葉一つとっても浜矩子イディオムで表現すれば、「世界が中国を工場にした」ということになる。
なるほど、中国の生産力の巨大化は確かに自国の力がついてきた面もあるが、それを上回るほどの外資による生産力の拡大による成果といえる部分も大きい。made in chinaといった場合、本当にすべてが「中国製」と言えるのか、曖昧な一面もあり、中国という場を拠点にした「多国籍企業」のなせる業とも考えられるのである。
今後中国経済がどのような変容を遂げるかは世界の注目の的ではあるが、決して夢のような未来を約束されているわけではなく、むしろ未解決な問題や、複雑に絡み合う矛盾点で溢れているというのが現実のようである。重ねて、日本はこの「思春期」の難しいい時期に突入した国と「成長期を過ぎた、成熟期に入った国」として文字通り「互恵関係」を築きあうような関係を構築していかなければならない。非生産的な火遊びで怪我や事故を巻き起こすことなどとんでもないことである。
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by tomcorder | 2013-06-16 23:20 | 日記