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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記6月18日(火)

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  「通貨はこれからどうなるのか」    浜 矩子  2012年5月刊

「通貨」という視点から世界の経済の中心的な流れ、問題点、そして今後の展望と幅広い領域を独自の理論と切り口でまとめ上げている。本書の構成は5章からなり、時代への不安とあらゆる疑問を斬る、地域通貨という考え、ユーロのゆくえ、1ドル50円に向かう日米関係、日本の財政問題、の諸テーマにつき大胆に解説、論評している。他著でも述べている通り世界の基軸通貨としてポンド次にドルが権威を、ふるってきたが、ドルもその力が低下し最早アメリカは通貨で世界をリードすることはできなくなった。しかしそれに代わる基軸通貨として条件を満たしている通貨は存在しないという。確かに円も強くなったし、近い将来「元」がドルに代わる存在になるかもしれないという予測もあるが、氏の推論では中国も多くの問題点を抱えその予想には懐疑的であり、これからの世界は超越的な通貨が仕切る時代ではなかろうと想定しいる。また一時の熱気で舞い上がったユーロの夢も、根本的に基本条件を満たしておらず、見通しは極めて悲観的であるという。このような状況の中で、将来の通貨の在り方はかなり過去とは違ったものになるのではないかという予言をしている。たとえば第2章で扱った「地域通貨」という考えもしくは単一通貨制度に固執しないとい方向に進んでゆく可能性もあると指摘している。
 日本の財政問題は壊滅的な状態を露呈しているが、過去の夢物語にしがみつこうとしている限り、事態は改善されないというのが氏の持論のようで、ひたすら円安を求めるのではなく、円高という現実を前向きに認め、「成熟した」経済にふさわしい政策を志向すべきだと主張している。極論すれば1ドル50円でも揺るがない日本経済を覚悟するべきだと言い続けているが、反論する向きもある。現在の政権の目玉「アベノミクス」にも真っ向から対決姿勢を表明しているが、最新の状況からは筆者の予言も現実味を見せてきており、1ドル50円はともかくも、つぎ込んだ国費が見返りもなく泡と消え、一握りの勝ち組だけが甘い汁を吸い、のちに庶民に大きなつけが回ってくるという展開は絶対に避けてもらいたい。
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by tomcorder | 2013-06-18 22:57 | 日記