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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記7月15日(月)


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  「日本のエネルギー、これからどうすればいいの」   小出裕章 2012年5月刊

 本書は平凡社発行の「中学生の質問箱」シリーズの一作である。筆者はまたまた登場の小出裕章氏。中学生対象ということになっているが、なかなか中身が濃く、易しい言葉で説明はしてあるものの非常に論理的でありながら、エネルギー問題の本質を鋭く抉り出している。その根底には学者としての良心とプライドからか、若い世代への強い願いとメッセージが託されている。
原発、核をめぐる矛盾や地球汚染の現実に始まり、地球全体のエネルギーに関わる歴史と構造および世界の現状分析におよび、、それらは、科学者の目からの冷静なプレゼンテーションといった枠にとどまらず、広い生命観と正義感から展開されており、ある部分「哲学的」でもある。「人類の問題」と捉えれば、数えきれないほどの無知と誤りを尽くしてきた、地球の科学文明の「証拠固め」をすることは、一般大衆にも理解されるようになってている。にも関わらず地球のいや、人類の未来は絶望的とも思える課題が山積し、文字通り人類存続の危機がさけばれている。そんな中、氏は本書の中で驚くべき発言をしている。それは、アメリカで起きた「スリーマイル島原発事故」の収束に向かう場面での記述から始まっている。原子炉の温度が下がり、燃料棒取り出しの作業を始めるべく圧力容器のふたを開け、水中にカメラを入れた時、モニター画面に驚くべき有様が写っていたというのだ。それは微生物やバクテリア、菌類、藻類といった特殊な生命体で、その後数回の薬品処理をしても、もしばらくは生き続けたというのである。人間なら即死に近いほどの放射線量下でも、生きてゆける生命が存在することが確認されたというのである。もしこれが事実なら、筆者の推論では、やがて人類は滅び、地球上には新しい生命体が支配する時代が来るだろうというのである。しかもその生命体は「人間からの束縛」から解放され「快適」な地球の新時代を歩き出すだろうというのである。あたかもそれは恐竜が滅び小型哺乳類が地球の中心に位置するようになった過去の歴史と似ているという。・・・・はたしてそうなるのか。なるとすれば何時頃の話なのか?現在の地球の上データからすると、案外それは早いのかも知れない。すこしでもその時期を延ばしたいなら、氏の計算では日本人はエネルギー消費量を現在の3分の1、4万カロリー程度に抑える必要があるという。それでも結構文化的な生活はできる。1970年程度の消費生活は保障できるという。十分楽しい消費生活が送れるレベルだ。賢い指導者の選択と共に賢い日本人になることが必要だ。
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by tomcorder | 2013-07-15 14:41 | 日記