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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記8月16日(金)









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 「ウィキリークスの時代」     Greg Mitchell作・宮前ゆかり訳 2011年6月刊

 「世界中の一般市民が正確な情報をありのままに共有することができたなら、戦争は減るだろう」これはウィキリークスの創始者ジュリアン・アサンジの言葉である。本来市民は戦争の被害者であり、オープンな情報が保障されている社会においては、基本的に民意は「非戦」に向かうのが自然である。しかし、現実に過去の歴史や世界の多くの国で戦争の途絶えたことはなかった。これは各国の国民の民意というよりは、巨大な権力機構によって、情報が操作され、意図的に世論が形成され、一部の強権を持つ層の利害が優先された結果不幸な結末を招いたことが大半であった。現代も、なお続いている紛争、戦争は見方を変えれば「情報の戦争」とも言える。各国の庶民は「見えざる手」によって客観事実が脚色され、演出され、真相を隠蔽され、さまざまなプロパガンダが国論を左右している。メデイアは権力者に寄り添うように仕組まれ、自由な報道を提供しているかに見えても、どこかで誰かが望む世論に向かって収束して行くようなメカニズムを内包している。日本の原発事故報道などはその典型的な例であったことは、すでに庶民も認知する段階になってきた。このような時代において、IT技術の進展も手伝って、既成のメデイア、情報網の間を潜り抜け、政府や権力者の手を離れて情報が独り歩きするような時代がやってきた。「ウイキリークス」はその先駆けと言えるであろう。主催者ジュリアン・アサンジの提起したこの試みは、その評価がまだ定着しているとは言えないかもしれない。現実に巨大な既成勢力から総攻撃を受け、厳しい立ち位置を余儀なくされている現実もある。本来庶民に最新の情報を提供すべき使命を持っているはずの、報道関係諸機関も、対応の仕方を模索しているようで、裏で生き残りを架けたやりとりがされているようだ。
 具体的な行方は簡単には予想できないかもしれない。しかし、世界中が度胆をぬいた大スキャンダルの爆発は、短時間でとある政権の生命線を奪うほどの影響力を持っている。最早いかなる政権のコントロールも及ばないような形で、世界レベルの超ど級情報を提供する、「ウィキリークス」的存在はこれからの時代には無視できない、と誰もが感じ始めている。大国の権力者から露骨な攻撃や、殺害勧告まで出されている状況下であるが、今後の「ウイィリークス」の在り様が「地球のデザイン」を変えるかもしれない
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by tomcorder | 2013-08-16 14:13 | 日記