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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記2月19日(水)

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「共生の大地」ー新しい経済が始まるー 内橋克人  1995年3月刊

経済評論家の大御所、内橋克人氏の1年間にわたる新聞掲載の評論集を1995年にまとめたもの。全体が①使命共同体のパラダイム②辺境と周縁の条理③実験的社会システムの旗④政策と合意のはざま⑤多元的経済社会への道標、の5部編成からなる。
 今からもう20年以上前の評論ではあるが、その多くは現在でも課題進行中の内容である。その意味において的を得た着眼点をもっており、氏の本質を熟視した目は、時代を超えた価値観を共有している、といえよう。そこに流れる概念は正に「共生」であり、バブル期以降迷走を続ける我が国の経済状況に、様々な角度から、新しい灯を探ろうとする試みの紹介でもある。例えば第3部ではエネルギー問題を扱い、再生可能エネルギーシステムへの転換の挑戦の諸例を掲げ、我が国のエネルギー政策へのポイントを適格に指摘している。これらは20年前の提言にも拘わらず、現在の状況に対しても大いに有効な方向性を示していると言える。
現在我が国は、「アベノミクス」の掛け声の下に、政府は、日本経済復興のシナリオを描き先に進もうとしているが、その向かう方向がいかにも「復古調」であり、高度成長期の「古き日本を後追いしている」と厳しい批判を投げかける学者、論j者も少なくない。このような情況の中、20年も前に筆者は現在のような事態を予測したかのように、経済に関わる諸断面に未来志向のビジョンを提供しており、今なおその姿勢は新鮮である。
「古い価値観」を変え、国として目指すべき「新しい価値」「新しい社会の在り方」を模索しない限り、我が国の経済に光明はささない、と筆者は語り掛けている。
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by tomcorder | 2014-02-19 12:25 | 日記