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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記2月26日(水)

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<辺見庸2題>
「水の透視画法」「国家、人間あるいは狂気についてのノート」
                 2011年6月、2013年2月刊

 前者は2008年から2011年頃までの新聞各紙に掲載されたものを再編集したもの。後者は2003年から2012年11月までの新聞、雑誌、詩集等から抜粋、辺見庸コレクションとして「再編」されたものである。主に短いエッセイ、評論、詩作などからなる。
 作者辺見庸氏はかつて共同通信社の記者であった。文芸作家となっても時代をえぐる鋭い視線は貫徹されており、その表現の切り口も極めて鋭利で、妥協を許さぬ厳しさを感じさせる。扱っている題材も政治性の強い話題が多く、世の論争にもなっているような重いテーマを題材に並べているケースが多い。筆者の一貫した視点は決して規制の勢力からの見下ろすような姿勢ではなく、かたくななまでに個の尊厳を貫こうとする意志を各所で感じさせる。時代をとらえる目の鋭さ、感性のみずみずしさは特筆するに値する。だから、2011年3月11日以降の大惨事も、彼は「予言」、というより「予感」することができたのだ。筆者は惨事の直前に「何かが来る」ということを、具体的論理でなく、「感性」で感じ取っていた。それは「地震学とか地学や物理のレベル」ではなく、動物的とも言える感受性によるものだったかも知れない。そして彼は現在も予言する。「最早戦中だ」と
当たることを決して希望はしない。しかし、同じような「風の臭い」を感じている諸氏は結構多いと認識している。明日から、来月、来年、3年、5年と筆者の予感はどのような展開を見せるのか、気になるところではあるが、最近の安倍政権の有り体を見る限り、決して暴論とも思えない現状ではないだろうか。
寒気を覚えるのは私の体調のせいか。

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by tomcorder | 2014-02-26 17:13 | 日記