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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記4月21日(月)

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  「中国侵略の証言者たち」   ~「認罪」の記録を読む~
                                   岡部牧夫、荻野富士夫、吉田裕編
                                               2010年4月刊
 「日本軍は戦中、中国でどんな侵略行為を働いたのか?」・・・その加害の実態についてはいまだに論争が続いているそんな中、中国より戦犯として起訴された45名の元日本軍兵士、「満州国」官僚らの供述書が近年全文公開された。極めて詳細なこれらの証言から「満州国」統治や侵略行為の実相、そして彼らが罪を認める過程を具体的に検証する。」表紙裏(巻頭辞より)
 1956年6月から7月にかけて、中華人民共和国で45名の日本人が戦犯裁判を受けた。この45名の公判書類である供述書の一部をはじめて日本に紹介したのは、新井利男・藤原彰編「侵略の証言ー中国における日本人戦犯自筆供述書(岩波1999)である。本著はこの供述書の中身を中心に、日本人は中国で何を行ったか、を辿ろうとするものである、と編者は語っている。
この裁判のあと、時期がきて帰国した戦犯の多くが「中国帰還者連絡会(中帰連)」を結成して、証言活動を続けており、供述書とともに世間の注目を引いてきた。もちろんその内容については、「洗脳の結果」だと言って、否定的な論陣を張るグループが存在することも事実である。しかし、その客観性や正確さについては、今後も議論を残すことはあるかも知れないが、このような実体験者の声がこれからいつまで聞けるかわからなくなりつつある現在、希有な資料としても、これらの発言、書類、運動の足跡を社会全体で受け止めて行く必要があるのではないか。
 特に世相が急激に変容しかけている、現在の日本の政治的背景下において、現政権の動きなどにも如実に表れているように、戦後史の評価を意識的に変えようとする野心が端々で見かけられる。自分自身も含め、「戦争を体験してない世代」が国の舵取りをする時代に入り、過去の歴史を今を中心に書き換えることは許されない。本書もその手立ての一つとして、「客観事実」を地道に確かめることしか、先に通ずる道はない。改めて、現在の我が国の政情は各所に危険性を孕んでいると見られる。
私たちは積極的に「過去から学ぶ」必要がある。
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by tomcorder | 2014-04-21 14:08 | 日記