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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記5月13日(火)

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「そして日本の富は略奪される」<アメリカがしかけた新自由主義の正体>
                  菊地英博    2014年1月刊

「新自由主義」という言葉が広く世に飛び交うようになって久しい。グローバリズムとか市場原理主義とかいう概念がアメリカから注入され、日本もいつの間にか、アメリカの敷いたレールの上を進むようになってきた。言葉の響きとは裏腹に、その実態は極めて危険性を秘めており、日本は大きな犠牲を払ってきた。この価値観の根底には、1%の富裕層の富が大事にされ、その他99%の層は搾取され収奪され、貧困の道を進むことになる。小泉政権のころから、米国の出してきた「年次改革要望書」を具現化するような形で、「アメリカにとって好ましい、国の形」へと日本は変身してきた。ヨーロッパはこのアメリカ型の資本主義に早くから異を唱え、ヨーロッパ型の共存共栄型の資本主義を目指してきた。戦後の日本もどちらかというと「共存・共栄型社会」を目指してきたし、かなり実現された面も多かった。だから「1億総中流」などという言葉も定着したのである。
 しかし、アメリカ型の資本主義が行き詰まり、大資本中心の、ミルトンフリードマンの提唱した、「新自由主義」的な経済システムが米英を中心に進められ、日本もその流れの中に組み込まれることを、仕向けられてしまった。
郵政民営化等を通し日本の富が、アメリカの大資本に吸収され、今後もその恐れはある。TPP交渉やISD条項等、日本の富を飲み込む手段は次々と控えている。戦後の日米の力関係の上に、不利益な要求をのみ続けてきた日本はこのままでは、国の蓄えを吸い取られ続けるかもしれない。「新自由主義」とは情け容赦なく強者が弱者を搾り取るためのシステムであると筆者は断言している。
「どうすれば新自由主義の侵略を阻止できるか?」作者なりの具体策をいくつか提案しているが、現状ではだいぶ悲観的と言わざるを得ない。
政治の貧困が続く限り、日本の運命は明るくならない。
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by tomcorder | 2014-05-13 23:09 | 日記