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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記6月2日(月)

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(本当は憲法より大切な)日米地位協定入門」 前泊博盛 2013年3月刊
かねがね日米地位協定についての重要性、注目度の高さは各所で聞いていた。しかし、本書を読んでみた感想は、そんな言葉を超越するほどショッキングで、驚くべき内容が次から次と展開している。戦後史について斬新な解説をして多くの読者をひきつけた「M氏」もこれでは自身の著した本の「売れ行きに関わる」と冗談を言いながらも本著の素晴らしさを讃えている。戦後の日本は「サンフランシスコ平和条約」で世界に独立国としての存在を宣言したわけではあるが。事日米関係においては、事もあろうに日本国憲法より「日米安全保障条約」が、日米安全保障条約より「日米地位協定(以前は日米行政協定)」が実質的にはより強い効力を発揮しているのだ。法的には上位にあるべき日本国憲法や日米安保より日米地位協定が具体的に日本と米国の関係を強固に規定してきたのだ。いくら憲法で裁かれるべき犯罪や事件が発生しても米国、米軍が絡む事件で在れば、未だに日本の国内法で裁く、あるいは日本の法律の枠内での凡例に則った判決を下すことが出来ないのだ。
 このことは、終戦後の占領時代から今現在に至るまでほとんど変わっていないのだ。つい最近厚木基地騒音訴訟の判決で、損害賠償や、自衛隊に飛行制限を命令する判決が出たが、こと米軍に関しては「裁判の及ぶ範囲でない」と頭から「逃げ」ているのだ。新聞報道等では事実を伝えてはいるが、これまで実にたくさんの米軍関係の事故、犯罪が繰り返されてきた。最近沖縄で多発していることが問題視されているが、沖縄以外の米軍基地周辺の市民にも、あってはならぬ残忍な犯罪事件が各地で繰り返されてきた。横浜でも、水戸でも、群馬県相馬が原でも、ジョンソン基地でも・・・。皆痛ましい事件であり、紛れもない米兵による犯罪であった。今なお沖縄では米兵による犯罪が跡を絶たない。そしてこれらの事件では「犯罪が」立件されても「地位協定のしばり」により、立件されたとしても極めて軽微な判決が下されてきた。ほとんど「密約」で処理されてきたのである。
 これらの事実から言えることは、日本はいまだに「属国」レベルの扱いをされているということだ。恐らく米兵の一部にはそのような意識がないとは言えまい。このような米国との取り決めは、確かにアジアの他の国にも存在する。しかし、日本ほどこの地位協定に「従順」な国は他に例がない。最近強気な姿勢が突出している現政権ではあるが、こと「地位協定」に関しては固く「口を閉ざしている」。隣国に対してあれほど強気な外交姿勢を見せているのに、米軍に対しては正に「借りてきた猫」のごとき「躾のよさ」を見せる保守政権の2面性は誠に醜悪でさえある。日本が真の独立国を取り戻すまで、市民の目で監視し続ける必要がある。
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by tomcorder | 2014-06-02 16:38 | 日記