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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記6月11日(水)

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  「戦場から女優へ」  サヘル・ローズ2008年12月刊

 サヘル・ローズ(SahelRosa)はイラン人。イラン生まれの女優・タレント。1985年10月21日生まれ、ということになっているが、本当の誕生日は定かでない。1989年イラン・イラク戦争での空襲により住んでいた村が全滅。ただ一人ボランティア活動中の女学生によって奇跡的に救出され、孤児院に収容された。やがて再び孤児院を訪れたこの女学生がこの孤児を自分の子として引き取り、母と子としての人生が始まった。しかし、若き母親はまもなくこの孤児がもとで親から勘当され、1893年養母の婚約者を頼って二人で来日することになる。しかし、当てにしていた婚約者から「連れ子」が原因で間もなく別れを宣告され、母子は路頭に迷うことになった。予期せぬホームレス生活を経て、なんとか小学校に入るが貧しさといじめに苦しみながらも、暖かい支援者の助けを受け、必死に生活を続けて高校生まで成長した。高校生の時縁あって、J-WAVE「GoodMorninngTokyo」のレポーターを始めたことがきっかけとなり、「芸能活動」を始める。滝川クリステルに似ているとの仕草が受け、一時人気を集めた。その後演技者としての存在を示すべく、多方面な活動を続け現在に至っている。
きっかけは安易だったかもしれない。しかし彼女がたどってきた人生は、何物にも代えがたい運命の重みと、多くの人の悲劇と犠牲の上に成り立っている。彼女自身が作品中で語っているように、彼女は生きるべくして生きている。生かされている。
最近痛ましい事件が続いている日本の社会の中で、彼女と母親のたどってきた足跡は、現代の日本人が忘れかけている、大事なことを教えてくれた。親子とは?言葉では表現しきれない、深い思いがあふれている。実の親子でも、これほど深い絆で結ばれることは多くはない。養育放棄する実の親もいるというのに・・。軽々しくは言えないが、それが「愛」というものだろうか?本著の読者なら、心から筆者と母親の幸せを祈らずにはいられない。「サヘル・ローズ」彼女のことをもっともっと多くの人に知ってほしい。
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by tomcorder | 2014-06-11 19:36 | 日記