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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記9月18日(水)

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「CIA秘録 上下」<その誕生から今日まで> -Tim Weiner(ニューヨークタイムズ記者)著ー
                                       2008年11月15日刊
著者テイムワイナーは1956年生まれのニューヨークタイムズ記者。「フイラデルフイア・インクワイアラー」在籍中に調査報道記者として国防総省、CIAの秘密予算を明るみに出し、88年ピューリッツアー賞を受賞した。94年にはCIAの自民党に対する秘密献金の存在をすっぱ抜き、日本の新聞全紙が後追いをした。本書「Legacy of Ashes」は全世界27国で刊行されている。
日本では「CIA」と言う語もつイメージには特別のものがあるように感ずる。戦後から現在に至る「日本の政界や裏社会に、秘密里に存在した闇の行動組織」というような、実像が見えない不気味な特務機関として、恐れと疑惑の対象として語られてきたように思える。
 本書は米国の秘密諜報機関であるCIAの成立から現状までを、膨大な資料にもとずいて、克明に解明解説したものである。日本国内では「推論」のレベルを脱しきれなかった事件、事象について具体的な事例や発言・文書に由来する客観性の高い論考によって、赤裸々にこの組織の「実像」を描き出している。その中には正に「ショッキング」な事例もあり、驚くべき証言や解説も少なくない。例えば、「ケネデイ暗殺事件」の背景にあった諸事実の「謎解き」をする中で、はじめケネデイ兄弟が「カストロ暗殺計画に」容認許可を出していたという証言が書かれている。しかもそのために「マフイアの手を借り作戦を実行することを認可していた」という説明まで痛烈に述べられている。筆者に言わせれば「カストロ暗殺計画に失敗し、逆にカストロによって先に消された」との見方が強い、というのだ。日本のマスコミ界では聞かれなかった様な驚くべき説である。本著の中で各所、各事件で語られているように、世界各地の紛争、政変に関わってCIAはありとあらゆる暗殺、スパイ、クーデター誘導、武器、金銭投与等の秘密作戦に関わってきた。そして意外というか、驚くべきことに、莫大な米国の予算を投入し、多数の人材が投入されたにもかかわらず、成功した事例に比べ、失敗した事件が圧倒的に多かった、というのである。ある意味、日本は「数少ない成功例」の典型かもしれない。戦後の保守政権の中枢に圧倒的な金銭援助をし、自民党にも多額の支援を続けたことは周知のことである。日本の政治バランスや世論を「右寄り」に修正するために様々な工作を仕掛けてきたことは間違いない。
そう言った事実を客観的に知り得た段階でも、自助能力を失い今も米国主導で迷走しているとしたら、日本の政界は世界にまれな「植民地支配」続く国と言わざるを得ない。
今現在も「世界の警察」たる米国の威厳をかけて、「難しい選択」が迫られている。米国の諜報活動の中心に位置するのはどんな組織でどんな活動をするのであろうか。世界中からチエックを受ける米国の進む方向はどちらを向いているのだろうか。
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by tomcorder | 2014-09-18 22:30 | 日記