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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記6月29日(火)

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「集団的自衛権の焦点」     <限定容認をめぐる50の論点>
                                               2014年    松竹伸幸

 現在国会では、安全保障法案を巡って激しく与野党が対立している。何としても今国会中に戦争法案の成立を図りたい与党は、異例とも言える90日にもわたる長期の会期延長を決めた。戦後最長の通常国会となった。本法案の背骨となる集団的自衛権の容認に関しては、「違憲」であるとの非難がでており、リベラル野党は勿論、広く学者や文化人、有識者、元政治家等々、各界から政府の暴走を止めようとする声明が出されている。本書では、集団的自衛権容認に関わる疑問点や問題点を50の項目に絞り、質問に答える形式で、作者の解説並びに見解を簡潔に述べている。
 国会の内外でも様々な論議を呼びマスコミでも度々話題になった項目について明快な論拠を示し、わかり易く回答している。その基本姿勢は正しく「憲法にのっとって」であり、戦後の歴史を冷静に振り返り、現政権の脱線ぶりを鋭く論破している。
例えば、集団的自衛権が適用される「密接な関係にある国」とはまず米国以外には考えられないが、その米国は日本に対し集団的自衛権の行使を歓迎はするものの、「強要」はしていない。米国艦船を守るとか、「グレーゾーン」での出動とか、政府は苦しまぎれに浮足だった説明に終始しているが、これらは外国から見れば「軍事行動」と受け取られる可能性が強いと筆者は説く。
確かに中国の力任せの姿勢はアジア各国で緊張関係を高めてはいるが、日本の自衛隊が直接出動するようなことが起きれば、話はこじれることはあってもまとまることがないのは火をみるより明らかだろう。今まで我が国は「武力」を持って問題解決に当たったことはない。武力行使のないところに「武力」を使うことなど、憲法上は到底認められない。どんな紛争にも武力が使えると解釈するのは、ルール違反である。
集団的自衛権は国連憲章の理念にも矛盾する考えであり大国のエゴから生まれた、便宜的措置でもある。アメリカが集団的自衛権のもとにどのように侵略行為を行い、間違った殺戮を繰り返してきたかを振り返れば、この考えに組み込まれることがいかに危険であるか明白になってくる。
作者は主張する。「集団的自衛権」ではテロには対応できないと。
日本は70年近く非軍事に徹して国際平和に貢献してきた。この経験こそ日本の主張できる最大の戦略であり、安全保障の中心に置くべきである。
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by tomcorder | 2015-06-30 21:26 | 日記