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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

<   2014年 02月 ( 8 )   > この月の画像一覧

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<辺見庸2題>
「水の透視画法」「国家、人間あるいは狂気についてのノート」
                 2011年6月、2013年2月刊

 前者は2008年から2011年頃までの新聞各紙に掲載されたものを再編集したもの。後者は2003年から2012年11月までの新聞、雑誌、詩集等から抜粋、辺見庸コレクションとして「再編」されたものである。主に短いエッセイ、評論、詩作などからなる。
 作者辺見庸氏はかつて共同通信社の記者であった。文芸作家となっても時代をえぐる鋭い視線は貫徹されており、その表現の切り口も極めて鋭利で、妥協を許さぬ厳しさを感じさせる。扱っている題材も政治性の強い話題が多く、世の論争にもなっているような重いテーマを題材に並べているケースが多い。筆者の一貫した視点は決して規制の勢力からの見下ろすような姿勢ではなく、かたくななまでに個の尊厳を貫こうとする意志を各所で感じさせる。時代をとらえる目の鋭さ、感性のみずみずしさは特筆するに値する。だから、2011年3月11日以降の大惨事も、彼は「予言」、というより「予感」することができたのだ。筆者は惨事の直前に「何かが来る」ということを、具体的論理でなく、「感性」で感じ取っていた。それは「地震学とか地学や物理のレベル」ではなく、動物的とも言える感受性によるものだったかも知れない。そして彼は現在も予言する。「最早戦中だ」と
当たることを決して希望はしない。しかし、同じような「風の臭い」を感じている諸氏は結構多いと認識している。明日から、来月、来年、3年、5年と筆者の予感はどのような展開を見せるのか、気になるところではあるが、最近の安倍政権の有り体を見る限り、決して暴論とも思えない現状ではないだろうか。
寒気を覚えるのは私の体調のせいか。

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by tomcorder | 2014-02-26 17:13 | 日記
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   「アベノミクスの真相」       浜 矩子   2013年5月刊

 またまた登場。「アホノミクス」を看板に掲げ、鼻息荒い「経済界のハマちゃん」こと浜矩子氏の昨年5月の刊行の「アベノミクス3本の矢」の徹底分析解説書。もちろんアベノミクスを根底から「裸に」しようとする「反アベノミクスの挑戦状」としての位置づけのうちの一つである。
 アベノミクスに対する氏の論調はいつも手厳しく、徹底的挑戦口調で終始しているのであるが、本書もご多分に漏れず、全く手を抜くことを知らず、これでもかと言うくらい、3本の矢とやらを酷評している。
筆者は巻頭辞からして、アベノミクスを「妖怪」と定義づけている。つまり人々の成長期待感と閉塞脱却願望につけ込み、根拠無き熱狂に追い込み、庶民の夢をむさぼり尽くす、・・・存在だというのである。そもそもその名称からして、<.まやかしであった「レーガノミクス」の2番煎じであり、毒気満載で人々を惑わすものだ。>と容赦ない。
本書はChapter1~3の3章編成で、全編が23項目から成立っている。その各項目に「表向き」の政権側からキャッチフレーズ(俗論)と、対抗する筆者の分析する見方(真相)が対をなして掲げられている。まことに興味津々たる構成で、読む前から「食欲」をくすぐる手立てが講じられている。例えば、Chapter1/第6項目(俗論)「アベノミクス効果で高額消費も増え始めた」(真相)「庶民の賃金は上がらずデフレも終わらない」とか、Chapter2/第11項目(俗論)「国土強靱計画で景気回復が望める」(真相)「バラマキ政治への回帰。大いなる時代逆行」とか、第17項目(俗論)「日本は法人税をもっと減税すべき」(真相)「法人増税も一案。租税哲学を確立せよ」・・・等々、全く真っ向からの「正面衝突」で読んでいるだけなら誠に痛快である。しかし現実はどうなのか、どうあるべきなのか?なかなか素人には判定が難しい面もある。とはいうものの、これらは結局、時の流れのなかで、より明白な結論が導き出される。「株価や円安の動向は?」「輸出は伸びるか?」「雇用は拡大するか?」「労働者の賃金は上がるか?」そして最終的に景気はよくなるのか?2014年中にはこれらのあらかたの「実像」が判明するであろう。そして「浜矩子節」が「正調」か「調子外れ」かも判明してくるであろう。もうそろそろ、見えかかっている気配を感ずるのだが・・・。
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by tomcorder | 2014-02-22 18:24 | 日記
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「共生の大地」ー新しい経済が始まるー 内橋克人  1995年3月刊

経済評論家の大御所、内橋克人氏の1年間にわたる新聞掲載の評論集を1995年にまとめたもの。全体が①使命共同体のパラダイム②辺境と周縁の条理③実験的社会システムの旗④政策と合意のはざま⑤多元的経済社会への道標、の5部編成からなる。
 今からもう20年以上前の評論ではあるが、その多くは現在でも課題進行中の内容である。その意味において的を得た着眼点をもっており、氏の本質を熟視した目は、時代を超えた価値観を共有している、といえよう。そこに流れる概念は正に「共生」であり、バブル期以降迷走を続ける我が国の経済状況に、様々な角度から、新しい灯を探ろうとする試みの紹介でもある。例えば第3部ではエネルギー問題を扱い、再生可能エネルギーシステムへの転換の挑戦の諸例を掲げ、我が国のエネルギー政策へのポイントを適格に指摘している。これらは20年前の提言にも拘わらず、現在の状況に対しても大いに有効な方向性を示していると言える。
現在我が国は、「アベノミクス」の掛け声の下に、政府は、日本経済復興のシナリオを描き先に進もうとしているが、その向かう方向がいかにも「復古調」であり、高度成長期の「古き日本を後追いしている」と厳しい批判を投げかける学者、論j者も少なくない。このような情況の中、20年も前に筆者は現在のような事態を予測したかのように、経済に関わる諸断面に未来志向のビジョンを提供しており、今なおその姿勢は新鮮である。
「古い価値観」を変え、国として目指すべき「新しい価値」「新しい社会の在り方」を模索しない限り、我が国の経済に光明はささない、と筆者は語り掛けている。
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by tomcorder | 2014-02-19 12:25 | 日記
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  「死と滅亡のパンセ」   辺見庸  2012年4月刊

作者辺見庸は1944年生まれの作家。宮城県石巻市生まれで、共同通信社の北京特派員、ハノイ支局長などを経て、96年退社。文筆活動を始めた。本著のタイトルに掲げられた「パンセ」とは「思想」に近い意味か。パスカルの著した作品がその原型とされているようだ。
作者の故郷を襲った3.11の大災害は、日本を大きく変えた。しかし、このような自然災害や原発事故の起きることを、作者は事前に予見していた。それは具体的な根拠を持って、というより、研ぎ澄まされた「感性」から時代の文脈を読み解く中で、「啓示」のごとく浮かびあがってきたものと、憶測する。かれは大地震も原発事故も経済の混迷も予見していた。そして今、現在は既に「戦時」であると認識し、市民がそれと自覚する前に着々と戦争の道に進んでいると述べている。確かに昨今の政府の動き、総理大臣や閣僚の言動は筆者の言動を裏付けるに十分だ。しかも、日常的現象のなかに、一歩一歩真綿で締め付けるように、重苦しい重圧が国中に漂い始めているという。賢明なる諸氏はその諸断面を、身の回りから写しだせるかもしれない。各自の触覚を少し伸ばして感度を上げれば、それほど難しくもないはずだ。この動きは単に政治の舞台のみならず、日々の出来事、人間関係の中に表れはじめている、と筆者は説く。その警告をどれほど適格にとらえ、各自の問題意識とすることができるだろうか。
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by tomcorder | 2014-02-15 20:18 | 日記
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  「この国はどこで間違えたのか」  <沖縄と福島から見えた日本>
【内田樹 小熊英二 開沼博 佐藤栄佐久 佐野真一 
               清水修二 広井良典 辺見庸  】
 沖縄タイムスの記者渡辺豪氏が政界、学会、言論界、の識者にインタビューした記録を綴ったもの。沖縄タイムス紙面で2011年12月から12年7月までに「国策を問う」ー沖縄と福島40の年ーというタイトルで連載した企画に、加筆修正したものである。沖縄の地元紙が米軍基地と原発を同列に並べ、正面から議論を挑むと言う企画は筆者も言っているとおり、かなり思い切った切り口でもあり、勇気のいる決断であったろう。筆者の弁を待つまでもなく、沖縄と福島は首都圏から離れていても、エネルギーあるいは安全保障の観点から中央を支え、様々な犠牲を強いいられて来たし今もその最中にある。その点においては共通性もあるが、そのような構造が始まった動機においては、違っている。少なくとの沖縄の米軍基地は決して地域の要望とは無縁の状況から始まったことである。
 両地域の共通性はさておいても、米軍基地問題と原発問題は現在の日本が抱えている重大な問題であり、今の現実が「最善の策」の結果だとは誰も思わないであろう。いやこれは、この書のタイトル通り「間違ってしまった」ことの結果なのだ。従って「どこでどのように間違った」かをそれぞれの論者が自分の関わりのある角度から厳しく論じている。
 沖縄本土復帰、福島原発の稼働以来たどってきたこの40年。日本人の倫理観と良識が問われてきた40年間であった。まだまだ答えが出せない現実から踏み出せないでいるが、そろそろタイムリミットが迫っている。
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by tomcorder | 2014-02-13 21:28 | 日記
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  「経済政策の射程と限界」            神保哲生・宮台真司 2013年6月刊
  <高橋洋二 野口悠紀雄 北野一 浜矩子 小幡績 萱野稔人>

ジャーナリスト神保哲生と社会学者宮台真司の二人が、進行役としての役割をはたし、安倍政権の経済政策を対象とした、対談記録をそれぞれの学者とのパート別にまとめたもの。終わりに進行役の二人の総論とまとめで締めくくられている。
 安倍政権の経済政策「アベノミクス」については、専門家の評価は両極端に分かれている。インフレターゲットと金融緩和によって、日本経済は好転するという論者がいる一方で、それはまやかしであり、うわべだけのインフレは賃金上昇や雇用には結びつかず、下手をすれば大混乱に陥る危険性を持っていると、激しくと警笛をならす学者もいる。
 両者の極論の間で、一般市民は判断を下すのは難しい。最近までの約1年間で、確かに「円安」と「株高」は進んだ。少なくとも、数字の上ではそう見える。しかし、「第三の矢」と称される「成長戦略」はその実態が今ひとつ具体化していないし、円安が進んだ割には、全体としては輸出は伸びておらず、恩恵に預かれる企業、労働者は一部の業界に限られているようである。2014年が始まった今、果たしてアベノミクスは初期の見通しに向かって前進することができるのか、はたまた、今後の動向によってはその実態が露呈され、惨めな結末を迎えることになるのか、この1年はその成否が見えてくる期間となる見通しが高い。春闘が始まりだした昨今、果たして労働者の賃金は相対的にレベルアップを獲得できるだろうか。よく言われるように、消費税の増額というハンディキャップを乗り越えて、さらに実質賃金の向上を実現できるだろうか。重ねて、弱い立場にある「非正規労働者」の境遇改善は前進することができるだろうか。企業の増益、体力増強が前提という政府案に基づき、「法人税の減税」も行われるようであるが、結果的に賃金に波及効果があらわれ、景気が活性化するという目標までたどり着くことはできるだろうか。もし、このプランが破綻し、計画が失速した場合、国民の「失望」はかりしれない。もしそのような事態が生じた場合、政府はいったい「どんな戦術」を用意しているのだろうか。「非常時」が現実化するのは避けたいし、「軍事的戦略」などあってはならない、とだれでも思うが、無用の心配であってほしい。
 
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by tomcorder | 2014-02-08 16:07 | 日記
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  「虚構のアベノミクス」  野口悠紀雄著  2013年7月刊

著者野口悠紀雄氏はマスコミも登場することの多い経済学者。現在早稲田大学フアイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。
本書の添え書きに「株価は上がったが、給料は上がらない」と記されている通り、アベノミクスに明確に反対派の立場を貫いている学者のひとりである。第二次安倍内閣が誕生して1年以上が経過下したが、目玉になっている経済政策の今後に対しては賛否両論、激しい議論が飛び交っている昨今であるが、作者の姿勢は真っ向からこの政策に異議を唱えている。いわゆる「3本の矢」の戦略に対してもことごとく否定的な見解を展開している。まずインフレターゲットの2パーセントも過去のデータから達成は不可能とみとおしているし、円安が進んだとはいえ実体経済は大きく動いていないと主張している。事実円安とともに輸出で収益を上げているのは一部の大企業であり、全体として円安は輸出量を増やす要因になっていないという。確かに、貿易収支は赤字を継続しており、今のところ円安は増収に効果的とは言いがたい。また、円安による効果がやがて企業の設備投資のに回ると言った予測もまだ当たっておらず、設備投資は減り続けている。そして最も重要な「賃金の上昇」であるが、昨年度結果から見る限り、賃金が上がったのはいわゆる大企業それも、自動車産業等一部の限られた業種であり。いっこうに賃金が上がらないのが全体の傾向だ。しかも、その好調と言われる自動車業界さえ、輸出は減少傾向にあり、先行きはけっして楽観視できないという。いかに円安が続いても、もはや日本は貿易収支黒字国には復帰できないという。ただし経常収支においてはまだ当分黒字は続くらしい。
著者の考えによると一番重要な点は3本目の「成長戦略」であり、実体経済を牽引する「強い産業」が育たない限り日本経済は上向くことはなく、そのための手立てはまだ具体性に欠けているという。いかに新時代に呼応した成長戦略を構築できるかが最大の問題点だと指摘している。

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by tomcorder | 2014-02-06 20:59 | 日記
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  「相馬が原、日米合同訓練、1日だけ」


「日米合同訓練、群馬県相馬が原は1日だけ。防衛省発表。31日」オスプレイは不参加。相馬が原の合同訓練は18年ぶり。自衛隊200人、米軍170人が参加予定。オスプレイが群馬県上空を通過する予定は、現段階ではないが、今後のことはわからないという。つまりは、「米軍の方針次第」ということか。市民団体や野党団体は今後も残る不安に備え活動を続けるという。<朝日新聞群馬版>・・・<群馬県相馬が原>と言えば、かつて「ジェラード事件」の発生した場所である。当時を知る群馬県人にとっては、相馬が原と聞いただけで、悪夢のよぎる場所であるはずであろう。ここでの軍事訓練に厳しく注意を傾けるのは、県民感情として至極当然ではないか。「沖縄だけに基地があるのではない。」群馬県内にも米軍が駐留していたのはまだついこの間までの話だ。「沖縄の痛み」がわからない群馬県人になってしまったとしたら、過去の犠牲になった人々にも申し訳ない話ではないか。「過去の英霊に・・・・」なんて勝手な歴史解釈をする前に、歪んだ日米関係を正常化しようとするのがまっとうな政治家のすることではないか。群馬県出身の政治家には、過去の犠牲者に対する歴史的使命があるはずだ。<「日米安保」があるからしょうがない。>などとほざいている県民は過去の歴史に学ばない愚か者と言うべきだ。
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by tomcorder | 2014-02-01 18:00 | 日記