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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

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  「本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな
                                   知っていること」
ー沖縄・米軍基地観光ガイドー・須田慎太郎、矢部宏治・前泊博盛 2011年6月15日刊

本書は沖縄の「観光ガイド」である。但しその中心にあるのは在沖縄米軍基地である。沖縄を知ろうとすれば、どこを訪ねても「基地」が目に入る。地図を調べればわかるように、「沖縄に米軍基地がある」というより「米軍基地を避けるように沖縄住民が生活している」と言った方が当たっているほど、土地に占める米軍基地の面積は異常に広く、いかに米軍が沖縄を一方的に使用しているかがよくわかる。戦後70年になろうとしているのに、沖縄は「本土復帰したはずなのに」米軍は依然として基地を手放そうとしない。
 ペリー来航時も最初に訪れたのは沖縄だった。1946年の軍政時代、「米軍はネコで、沖縄はネズミ」と発言した総督もいた。2000年の「日米合意」によれば、基地は運用については「日本、アメリカの国内基準の厳しいい方を採用する」と言っていながらも、普天間基地は日米の両方の法律さえ守っていないのだ。言いかえれば普天間は日本の「法律上の飛行場」ですらないのだ。
2014年の今も占領は続いている。日本国憲法がありながら、米軍兵の犯した犯罪には、日本国内法を適用することさえままならないのが現状なのだ。沖縄で繰り返された数々の米兵犯罪に日本の裁判権が適用された例は極めて少ないし、下された判決も国内法では考えられないくらい軽いものだ。
しかし、これは沖縄だけではなく本土でも幾多の民間人が米兵の被害にあっており、未だに「治外法権」が解消されていないのだ。日本以外にも先の戦争の敗戦国は複数存在するが、みな同じではない。いまだに占領軍の統制下におかれている国は日本を置いてほかにない。沖縄の現状を改善するためには日本政府が「命を懸けて日本の独立を取り戻す」気概がなければ成し得ない。「集団的自衛権」などを問題にしている場合ではないのだ。アメリカの御用聞きではなく、真の独立を取り戻すことが「愛国心」の証ではないか。 
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by tomcorder | 2014-06-28 20:56 | 日記
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   「密約」 <日米地位協定と米兵犯罪>  吉田敏浩 2010年3月刊 毎日新聞社

 2010年の時点で、安保改定後50周年の年に、時の民主党政権は4つの「密約」を調査することを宣言し、それまで「存在しない」と言ってきた密約関連文書などが発見された。国家のウソが白日の下に晒され、それまでの数々の隠蔽の歴史が覆された。すなわち4つの密約とは
①事前協議なしの核持ち込み・通過
②朝鮮半島有事の際の事前協議なしの日本からの出撃
③有事の際の沖縄への核の持ち込み
④沖縄返還時の現状回復補償の日本による肩代わり
①②は60年時、③④は72年沖縄返還時である。これらを通し対米従属の姿勢が戦後一貫して継続しており、これまで国民の目に届かなかった機密文書が広く世間に公表されることになったのである。
1960年の安保改定に伴い、旧日米行政協定は日米地位協定として名称を変えたが、基本的には何ら我が国の主権を尊重しておらず、明治時代の「不平等条約」レベルの国辱的歴史を繰り返してきたのだ。日米地位協定やその裏側に潜む密約の数々によって、戦後数々の米兵による犯罪が繰り返さされ、多数の日本人の命が奪われたり、残酷な被害を受けてきた。しかし、米国との間に重く仕組まれた密約の数々は正当な裁判を実施することさえ覆い隠し、わが国民の基本的人権を力づくで押さえ続けてきた。そのたびたびに「日米地位協定」のもつ不合理性が問題になり、被害者、地域住民の反感は高まり、政府への不満はたまりにたまっているはずであるが、いまだに米国との間に「対等な関係で」在日米軍の起こした事故、事件を対処するシステムはできあがっていない。沖縄地方で多発する米兵による犯罪にこれまで地元民はどれだけ怒りと犠牲に耐えてきたことか。しかし、これまで沖縄以外の全土で実に多くの事件や犯罪が発生していたのだ。しかも驚くべき事実として、日本の法律での正当な裁判が行われることが極めてまれなのだ。しかも仮に日本の第一次裁判権が認められたにしても、その多くの判決例は圧倒的に米兵に甘く、残酷非道な犯罪であっても重い刑が執行されることはほとんどなかったのだ。
こういう事実の下に、今も許されない非道な米兵犯罪が止まることがないのだ。
米兵犯罪の例をたどれば、被害者、遺族にとって余りにも残酷、非道な事件が多い。日本人を「人と思ってない」と受け取られるような犯罪例もあった。
それでも日本政府はいまだに「地位協定」の骨組みを変えることができないのだ。
「集団的自衛権」を問題とする前に、「目の前の国民の命」すら守ることができないのが現政権の実態なのだ。「米兵の血が流されているのに、日本人が血を流さないでいい訳はない」などと喚いた閣僚がいた。冗談ではない。いままで戦後何年も、何人もの日本人の血が「米兵によって」流されたのだ。しかも裁判が日本でおこなわれなかったり、判決が下されてもいたって軽いは罪状で処理されてきたのだ。
軍備増強や集団的自衛権に走るより、在日米軍による犯罪から「国民の命を守る」のが、まっとうな政府のまずやるべき仕事ではないか。現政権は何を血迷っているのか。
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by tomcorder | 2014-06-21 16:57 | 日記
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   「本当の環境白書」   <3.11後の地球で起きていること>
                               池田清彦 2013年8月刊

著者は1947年東京生まれの生物学者。現在早稲田大学教授、山梨大学の名誉教授の職にあり、多彩な評論活動を行っている。本書は「プレジデントファミリー」誌に「池田教授のエコロジ評」として2008年3月から2012年8月までと、「教えたくなる科学の話」として2012年9月から2013年6月まで毎月連載したコラムをまとめたものである。
3.11の福島第一原発事故は、場合によっては核爆発に至る可能性もあった。一度核爆発が起これば他の原子炉も連鎖を起こし、日本の国土の3分の1が壊滅するシナリオが現実になる危険性があった。しかもその可能性は今後も完全には否定されないということだ。長期的に考えればなるべく早く廃炉にした方が、安上がりだ と作者は訴える。世界は将来のエネルギーは原発に依存しない方向に舵を切った。日本の現政権だけが今なお原発を再稼働させて経済を回して行こうとしている。利権集団が頑なに営利を生み出すシステムを手放そうとせず、合理的な判断を出来ないでいると言う考えは筆者の言うとおりであろう。
未来に向かい理性的に考える手だてとして本書の存在意義もあると言える。正に作者の意図した通りである。
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by tomcorder | 2014-06-18 22:44 | 日記
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  「戦場から女優へ」  サヘル・ローズ2008年12月刊

 サヘル・ローズ(SahelRosa)はイラン人。イラン生まれの女優・タレント。1985年10月21日生まれ、ということになっているが、本当の誕生日は定かでない。1989年イラン・イラク戦争での空襲により住んでいた村が全滅。ただ一人ボランティア活動中の女学生によって奇跡的に救出され、孤児院に収容された。やがて再び孤児院を訪れたこの女学生がこの孤児を自分の子として引き取り、母と子としての人生が始まった。しかし、若き母親はまもなくこの孤児がもとで親から勘当され、1893年養母の婚約者を頼って二人で来日することになる。しかし、当てにしていた婚約者から「連れ子」が原因で間もなく別れを宣告され、母子は路頭に迷うことになった。予期せぬホームレス生活を経て、なんとか小学校に入るが貧しさといじめに苦しみながらも、暖かい支援者の助けを受け、必死に生活を続けて高校生まで成長した。高校生の時縁あって、J-WAVE「GoodMorninngTokyo」のレポーターを始めたことがきっかけとなり、「芸能活動」を始める。滝川クリステルに似ているとの仕草が受け、一時人気を集めた。その後演技者としての存在を示すべく、多方面な活動を続け現在に至っている。
きっかけは安易だったかもしれない。しかし彼女がたどってきた人生は、何物にも代えがたい運命の重みと、多くの人の悲劇と犠牲の上に成り立っている。彼女自身が作品中で語っているように、彼女は生きるべくして生きている。生かされている。
最近痛ましい事件が続いている日本の社会の中で、彼女と母親のたどってきた足跡は、現代の日本人が忘れかけている、大事なことを教えてくれた。親子とは?言葉では表現しきれない、深い思いがあふれている。実の親子でも、これほど深い絆で結ばれることは多くはない。養育放棄する実の親もいるというのに・・。軽々しくは言えないが、それが「愛」というものだろうか?本著の読者なら、心から筆者と母親の幸せを祈らずにはいられない。「サヘル・ローズ」彼女のことをもっともっと多くの人に知ってほしい。
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by tomcorder | 2014-06-11 19:36 | 日記
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(本当は憲法より大切な)日米地位協定入門」 前泊博盛 2013年3月刊
かねがね日米地位協定についての重要性、注目度の高さは各所で聞いていた。しかし、本書を読んでみた感想は、そんな言葉を超越するほどショッキングで、驚くべき内容が次から次と展開している。戦後史について斬新な解説をして多くの読者をひきつけた「M氏」もこれでは自身の著した本の「売れ行きに関わる」と冗談を言いながらも本著の素晴らしさを讃えている。戦後の日本は「サンフランシスコ平和条約」で世界に独立国としての存在を宣言したわけではあるが。事日米関係においては、事もあろうに日本国憲法より「日米安全保障条約」が、日米安全保障条約より「日米地位協定(以前は日米行政協定)」が実質的にはより強い効力を発揮しているのだ。法的には上位にあるべき日本国憲法や日米安保より日米地位協定が具体的に日本と米国の関係を強固に規定してきたのだ。いくら憲法で裁かれるべき犯罪や事件が発生しても米国、米軍が絡む事件で在れば、未だに日本の国内法で裁く、あるいは日本の法律の枠内での凡例に則った判決を下すことが出来ないのだ。
 このことは、終戦後の占領時代から今現在に至るまでほとんど変わっていないのだ。つい最近厚木基地騒音訴訟の判決で、損害賠償や、自衛隊に飛行制限を命令する判決が出たが、こと米軍に関しては「裁判の及ぶ範囲でない」と頭から「逃げ」ているのだ。新聞報道等では事実を伝えてはいるが、これまで実にたくさんの米軍関係の事故、犯罪が繰り返されてきた。最近沖縄で多発していることが問題視されているが、沖縄以外の米軍基地周辺の市民にも、あってはならぬ残忍な犯罪事件が各地で繰り返されてきた。横浜でも、水戸でも、群馬県相馬が原でも、ジョンソン基地でも・・・。皆痛ましい事件であり、紛れもない米兵による犯罪であった。今なお沖縄では米兵による犯罪が跡を絶たない。そしてこれらの事件では「犯罪が」立件されても「地位協定のしばり」により、立件されたとしても極めて軽微な判決が下されてきた。ほとんど「密約」で処理されてきたのである。
 これらの事実から言えることは、日本はいまだに「属国」レベルの扱いをされているということだ。恐らく米兵の一部にはそのような意識がないとは言えまい。このような米国との取り決めは、確かにアジアの他の国にも存在する。しかし、日本ほどこの地位協定に「従順」な国は他に例がない。最近強気な姿勢が突出している現政権ではあるが、こと「地位協定」に関しては固く「口を閉ざしている」。隣国に対してあれほど強気な外交姿勢を見せているのに、米軍に対しては正に「借りてきた猫」のごとき「躾のよさ」を見せる保守政権の2面性は誠に醜悪でさえある。日本が真の独立国を取り戻すまで、市民の目で監視し続ける必要がある。
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by tomcorder | 2014-06-02 16:38 | 日記