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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記10月4日

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日本の国境問題孫崎享著 2011年5月刊
竹島、尖閣、北方領土、と島国日本の国境問題は多発している。積年の問題でもあり近々の問題でもある。また、重要な政治課題であり、こじれ始めれば「ナショナリズム」の対決になることは必定であり、紛争、戦争の要因となることも多かった。わが国の避けられない「難題」に対し氏は自らの経験から得た知識と、豊富なデータをもとに丁寧に論を進めている。その根底にあるのは、徹底した平和主義と冷静な分析による情勢判断である。感情に走ればどこの国においても「ナショナリズム」が暴走する。それを政治的に利用する者が現れたとき悲劇は生まれる。過去の歴史が物語る通りである。暴力手段に訴えることなく、日本はどんな方法で領土問題と取り組むべきか、氏は搾り出すように可能なシュミレーションを提起している。例えば、威勢のいい保守派の意見に踊らされ、力に訴える選択をすれば今の日本に勝算はないと言う。最早武力に訴える時代ではない。経済力でも今後の日本に嘗ての勢いはない。だとすれば残された道はいくつもないのだ。現政治家の中には孫崎氏の意見と相容れない勢力がはびこっている。原発だけでない。日本は多くの火種を抱えている。
国民一人ひとりの冷静な判断が必要な時と言わざるをえない。
by tomcorder | 2012-10-04 09:34 | 日記

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