読書日記12月20日(木)
「集団的自衛権とは何か」 豊下楢彦 2007年7月刊
国連憲章によれば、加盟国はどの国も平等に自衛権を持ち、個別的自衛権(自国防衛のための軍備)と集団的自衛権(同盟国どうしの共通の敵に対する相互軍事力)とを有するとされる。日本も例外でなく個別自衛権はもとより集団的自衛権も「権利」としては所有するとされていたが、わが国の憲法の特性から実際に国外での軍事力の行使は出来ないとの立場を堅持してきた。しかしこの流れは「湾岸戦争」の頃から方向を変えようとする動きが現れだし、小泉政権の時...「非戦闘地区で非戦闘行動」という範疇での自衛隊の派遣を行うまで踏み出してしまった。勿論この選択の国民的総括も是非を問うことも論議せず、今始まろうとする安部政権においては、「憲法を改定」してまでも、集団的自衛権の海外での行使に踏み出そうとしているのである。しかも「協調的日米関係」の前提の上に、相互の軍事力補強関係に進もうとしているのである。安部晋三は祖父の足跡を追いかけるかのような素振りを示しているかのように見えるかも知れないが、作者によれば、その内実はまったく違っていて、岸信介が安部を見ればさぞかし眉をひそめていることだろうと述べている。すなわち日米関係の捉え方が祖父と違い、アメリカへのコンプレックスで充満しているのが孫の実姿だということらしい
by tomcorder
| 2012-12-20 21:21
| 日記