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渡霧吐夢世界

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薄暗く不透明な世に一条の光を求める一こま

読書日記3月29日(金)

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  「封印された放射能の恐怖」<フクシマ事故で何人がガンになるのか>  クリス・バズビー/飯塚真紀子訳
                        2012年7月刊
 「クリス・バズビー」は1945年、英国生まれの化学物理学者。欧州放射線リスク委員会(ECRR)の科学事務局長。チェルノブイリ事故から環境問題を意識するようになり、「緑の党」に入党した。内部被曝についての研究を進め、1977年、旧ソ連の科学者と共に、ECRRを立ち上げた。それ以前からある世界基準である、国際放射線防御...委員会(ICRP)のあり方や、データに対し鋭い疑問を投げかけ、自らの資料を駆使した最新の考えに基ずく放射線の影響を予測し、世界に警告している。氏の主張によれば、基本的にICRPはそのよりどころを広島・長崎の「原爆」によるデータに頼っており、その歴史的経歴からして、外部被曝を中心に被害予想をしており、理論的にも旧式で、多くの問題点を抱えている、と主張している。フクシマ事故以降話題になることも増えてきた、「外部被曝と内部被曝の違い」を強調し、各種放射線の及ぼす影響を具体的に考察し、「生体」としての人間に適用して推論すれば、大雑把に言ってECRRモデルではICRPモデルの予想のおよそ300倍から1000倍の被害予想になると言う。このことはフクシマ事故に対する予想を大きく深刻化させるものであり、氏の言葉をそのまま借りれば、フクシマ事故による被害はチェルノブイリのそれの2倍以上になるという。チェルノブイリの被害の実態に対しても、現実は適格に報道されていないといっており、ECRRの予想が正しければ遥かに多くの被害者がでているはずであり、その影響は今後も長く続くという重い予測を述べている。さらに耳の痛いことに、フクシマの現状を日本政府ならびにマスコミ一般も正確に伝えておらず、その隠蔽体質はすでに「ソビエト的」であると批判している。すでに関東、東京圏も被害域に入っており、今後想像を絶する数の、ガンや心臓疾患、白血病、糖尿病、先天奇形等が発生する恐れがあると警告している。
 どれもこれも、聞きたくない話ばかりではあるが、データに基づいた研究の成果とあれば、無視するわけにはいかないし、一時も早く対策を実行に移さないと被害はさらに広がる恐れがある。我々は科学的筋道に基づき敏速な対策を政府や関係機関に要求し、被害を少しでも小さくするための手立てを多くの国民で進める必要があるし、一日も早く「原発離脱」を実現することが迫られている.
by tomcorder | 2013-03-29 12:03 | 日記

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